2025/02/07
建物を長期にわたって安全に維持するには、屋上の適切な防水対策が不可欠です。本記事では、屋上防水工事の基本的な内容から、工事が必要となる劣化症状、主要な工法の種類、そして信頼できる施工業者の選定方法まで、詳しく解説します。
屋上防水工事とは?

屋上防水工事とは、屋上の防水層を施工する工事のことです。屋上は外部環境にさらされているため、雨水や湿気、紫外線、風などによって劣化しやすく、適切な防水対策が必要です。
屋上防水工事は通常、12〜15年周期で行われる大規模修繕工事の一環として実施されますが、劣化状態によってはより早期に行う必要があります。定期的な点検を行い、防水シートの剥がれや破れ、膨れ、ひび割れなどの劣化サインに注意しましょう。
屋上防水における劣化症状
屋上防水における主な劣化症状は以下の通りです。
チョーキング現象
紫外線や雨水等、外部環境の影響で防水層の表面が徐々に劣化し、防水材の樹脂成分が粉状になって脱落します。表面に触れると白い粉が手に付着する状態となります。
長期間放置すると防水層の厚みが減少し、防水性能が低下していくため注意が必要です。
ひび割れや亀裂
温度変化による伸縮や建物の揺れ、経年劣化などの要因で防水層表面に細かいひび割れが発生します。時間の経過とともにひび割れは徐々に拡大し、雨水が侵入する原因となります。
放置すると建物内部への漏水につながる深刻な問題となります。
膨れや浮き
防水層と下地との間に水分や空気が入り込み閉じ込められると、日射による熱膨張により防水層が持ち上げられ部分的に膨らみ、歩行時にふわふわした感触が生じます。
膨れた部分は徐々に広がり防水性能が著しく低下し、外力による損傷も受けやすくなります。
剥がれ
防水層と下地との接着力が低下し、防水層が部分的または面的に剥離する現象です。防水層の端部や立ち上がり部分から剥離が進行することが多く見られます。
剥離箇所からの漏水リスクが高まり、早急な補修が必要となります。
水たまり
防水層の劣化や建物の不同沈下により、屋上面に凹凸が生じます。雨水が低い部分に滞留し、常時水が溜まった状態となります。滞留水により防水層の劣化が加速され、防水機能の低下を招きます。
また、苔やカビの発生原因となり、美観を損ねる要因にもなります。
屋上防水工事の種類

屋上防水工事には主に4つの種類があります。これらの工法はそれぞれ特徴が異なり、建物の状況や周辺環境、予算によって最適な種類を選択する必要があります。
ウレタン防水
液状のウレタン防水材を複数回塗り重ねることで、一体化した防水層を形成する工法です。塗布型の特性から、複雑な形状や細部への対応が容易で、既存の防水層の上からの施工も可能です。
メンテナンス時の部分補修が容易で、下地の動きに追従する柔軟性も備えています。施工時の天候や気温の影響を受けやすく、適切な施工管理が重要となります。
シート防水
工場で製造された均一な品質の防水シートを現場で張り付ける工法です。機械的に固定する工法や接着剤で貼り付ける工法があり、大面積の施工を短期間で完了できます。
シートの継ぎ目処理が重要なポイントとなり、熟練した技術者による施工が求められます。耐候性と耐久性に優れ、メンテナンスの頻度も比較的少なく済みます。
FRP防水
ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂を組み合わせて防水層を形成する工法です。硬化後は非常に高い強度を持ち、防水性と耐久性に優れています。人の往来が多い場所や重量物を設置する場所、設備機器の設置箇所などに適しています。
施工時の温度や湿度の影響を受けやすく、専門技術者による丁寧な施工が必要です。
アスファルト防水
改質アスファルトシートを何層にも貼り重ねて防水層を形成する工法です。伝統的な工法であり、高い信頼性と実績があります。耐久性と耐候性に優れ、大規模建築物の防水工事に適しています。
施工には専用の機材と熟練した技術が必要で、夏季の高温時は作業効率が低下する傾向にあります。工期がやや長くなる傾向にありますが、長期的な耐久性が期待できます。
屋上防水工事の依頼先の選定ポイント
屋上防水工事の依頼先を選定する際の主要なポイントは以下の3つです。これらのポイントを押さえることで、信頼できる屋上防水工事業者を選定できる可能性が高まります。
防水工事が可能な業者の特徴を理解する
防水工事を行う業者には、防水専門業者、塗装業者、リフォーム業者、施工業者の4種類があります。中でも防水専門業者は、豊富な経験と専門知識を持ち、様々な工法に対応可能です。塗装業者は防水工事も手掛けており、塗膜系防水工事を得意としています。両者は比較的リーズナブルな価格設定であり、専門性の高さと経済性のバランスが取れています。
リフォーム業者は総合的なリフォームサービスの一環として防水工事を提供しており、他の工事と合わせた一括施工が可能です。
施工業者は建物全体の施工管理のノウハウを活かし、建物の構造を理解した上での適切な防水工事を提供します。
施工後のアフターフォローを確認する
施工後の保証期間と保証内容を詳細に確認することが不可欠です。優良な業者は10年程度の長期保証を提供し、定期的な点検やメンテナンスサービスを実施します。保証期間中の不具合発生時の対応方法、補修の範囲、費用負担の条件なども明確に提示されます。
また、業者の経営状態も重要で、長期的なアフターフォローを確実に受けられる安定した企業基盤を持つ業者を選択することが望ましいです。
業者の実績に注目する
施工実績は業者選定の重要な判断基準となります。ホームページ上での施工事例の詳細な紹介や、実際の施工現場の写真、顧客からの評価などが確認できる業者は信頼性が高いと判断できます。創業年数の長さは技術の蓄積と経営の安定性を示す指標です。また、防水施工技能士などの公的資格保有者の在籍状況も、技術力の裏付けとなります。
さらに、業界団体への加盟や各種認定の取得状況なども、業者の信頼性を判断する材料となります。
屋上防水工事は山市成工にお任せください
株式会社山市成工は1948年の創業以来、70年以上にわたり建築業界で実績を重ねてきた総合建設会社です。屋上防水工事においては、建物の特性や使用環境を考慮し、最適な工法の選定と確実な施工を実現することに特長があります。
ウレタン防水、シート防水、FRP防水、アスファルト防水など、様々な工法に対応が可能です。建物の状況や予算に応じて、最適な防水工事をご提案いたします。また、防水工事に伴う外壁補修や設備機器の移設なども一括して対応可能です。
施工後は10年程度の保証期間を設定し、定期的な点検やメンテナンスサービスも実施いたします。防水層の経年劣化や不具合の早期発見に努め、建物の長寿命化をサポートいたします。
長年の実績と技術力を活かし、お客様の大切な建物を雨水や漏水から確実に守ります。屋上防水に関することなら、まずはお気軽にご相談ください。