新築倉庫の需要と抑えておきたいポイントについて解説

eコマース市場の拡大や物流効率化の要請を背景に、倉庫新築のニーズが高まっています。

新築倉庫は企業の多様な要件に応える一方で、用途地域による建築制限や専門的な知識が必要となるため、計画段階での綿密な検討が重要です。本記事では、倉庫新築の市場動向から、建設時の重要ポイント、専門業者の選定まで、実務に役立つ情報を解説します。

 

新築倉庫のニーズの高まり

新築倉庫の建設ニーズは近年高まっています。特に、2020年以降、倉庫建設の着工棟数が増加傾向にあり、2019年の14,773棟から2020年には14,981棟に増加しました。

この需要の増加には以下のような要因があります。

 

EC市場の拡大

インターネットショッピングは年々市場規模を拡大し続けており、消費者の購買行動の変化に合わせて商品保管スペースの確保が急務となっています。特に、配送リードタイムの短縮化やラストワンマイル配送への対応を考慮し、都市部近郊での大型倉庫の需要が高まっています。

また、取扱商品の多様化に伴い、様々な保管条件に対応可能な機能的な倉庫施設が求められています。

 

物流の効率化

深刻化するトラックドライバー不足を背景に、物流業界では配送の効率化が重要課題となっています。大型物流施設を中継拠点として活用することで、長距離輸送と域内配送を分離し、ドライバーの負担軽減と配送効率の向上を図る取り組みが加速しているのです。

また、自動化・機械化設備を備えた最新鋭の物流施設では、作業効率の向上と人手不足の解消を実現しています。

 

機能倉庫の需要増加

危険物や温度管理が必要な商品の取扱量増加に伴い、専門的な機能を持つ倉庫の需要が急増しています。具体的な数字を見ると、ある企業での危険物倉庫への問い合わせ件数は3年間で4件から23件へと約6倍に、温度管理倉庫は2件から17件へと約8倍に増加しています。

特に医薬品や化粧品、食品関連企業からの引き合いが強く、高度な品質管理体制を備えた施設が求められています。

 

規制対応

厚生労働省が医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインを発出したことを受け、医薬品業界では保管・輸送時の品質管理体制の整備が急務となっています。温度管理や施設のセキュリティ、従業員の教育体制など、GDPが定める基準を満たす専門倉庫の整備が進められています。

医薬品メーカーや卸売業者からの需要が高まり、特に温度帯管理や入退室管理システムを備えた高機能な倉庫施設の建設が増加しています。

   

倉庫を新築することで多様なニーズに対応できる

倉庫を新築することで多様なニーズに対応できる  

カスタマイズ性の高い新築倉庫は、企業の具体的なニーズや運営方針に合わせて設計できる大きな利点があります。保管する商品の特性、取扱量、作業動線、自動化設備の導入など、企業固有の要件を細部まで反映した設計が可能です。

たとえば、天井高や柱スパン、床荷重の設定を最適化することで、保管効率を最大限に高めることができます。また、トラックバースの数や形状、エレベーターの配置、作業スペースのレイアウトなども、実際の運用を想定して効率的に配置することが可能です。

さらに、将来の事業拡大や取扱商品の変化も見据えた拡張性のある設計や、省エネルギー設備の導入、環境負荷の低減といった環境配慮型の設計も実現できます。自社専用の倉庫として新築することで、長期的な視点での投資効果も期待できます。

このように、新築倉庫は企業の現在のニーズだけでなく、将来的な展望も含めた理想的な物流拠点として機能することが可能です。各企業の物流戦略に合わせた最適な設計と、効率的な運用体制の構築を実現できる点が、新築倉庫の大きな魅力となっています。

   

倉庫の新築において注意したい「用途地域」とは

土地活用を検討する際に最も重要な基礎知識の一つが「用途地域」という考え方です。これは都市計画法において定められており、大きく「住居系」「商業系」「工業系」という3つの区分に分類されています。さらにこれらの区分は、合計13種類の地域に細分化されており、それぞれの地域ごとに建築可能な建物の用途や規模が定められています。

この用途地域制度は、計画的な都市開発を実現し、地域の特性に応じた秩序ある土地利用を可能にするために設けられました。各地域の特性を活かしながら、住環境の保護や商業の利便性向上、工業の発展など、それぞれの目的に沿った土地活用を促進することを目指しています。土地活用を始める前に、該当地域の用途指定を確認し、建築可能な建物の種類や規模を把握することが不可欠です。

 

住居系

住居系地域は、主に良好な住環境を保護することを目的としており、第一種低層住居専用地域から準住居地域まで、全8種類に分類されています。この地域では倉庫の建設に厳しい制限があり、大規模な倉庫施設を建設することは基本的に認められていません。

小規模な倉庫であっても、建築には特別な許可が必要となる場合が多く、住環境への影響を考慮した慎重な検討が求められます。

 

商業系

商業系地域は、商業地域と近隣商業地域の2種類があり、商業の利便性を重視した土地利用が想定されています。一定規模までの倉庫建設は可能ですが、交通量や騒音などの環境基準を満たす必要があります。

特に大型トラックの出入りが多い物流施設の場合、周辺の商業施設への影響を考慮した建築計画が必要となります。

 

工業系

工業系地域は、準工業地域、工業地域、工業専用地域の3種類に分類され、倉庫建設に最も適した地域といえます。大規模な物流施設や危険物倉庫など、様々なタイプの倉庫建設が可能です。特に工業専用地域では、24時間稼働の物流施設も建設可能であり、交通アクセスや周辺環境との調和も考慮しやすい特徴があります。

ただし、地価や立地条件など、物流効率の観点からも総合的な検討が必要です。

   

倉庫新築・増築の実績が豊富な業者への相談をお勧めします

倉庫新築・増築の実績が豊富な業者への相談をお勧めします  

倉庫の新築や増築を検討する際は、豊富な実績を持つ業者への相談が重要です。経験豊富な業者は、土地選定から法規制の確認、設計、施工まで、一貫したサポートを提供することができます。

実績のある業者は、最新の物流トレンドや技術革新を熟知しており、企業の事業計画に最適な提案が可能です。また、過去の施工事例から得られた知見を活かし、予算や工期、施工上の課題などについても的確なアドバイスを提供できます。

さらに、建築確認申請や各種許認可の取得、補助金申請のサポートなど、専門的な手続きもスムーズに進めることができます。建設後の保守・メンテナンス体制も整っており、長期的な視点での安心感につながるでしょう。

   

倉庫の新築を検討中の企業様は山市成工にお任せください

山市成工は、1948年の創業以来70年以上にわたり、山梨県の建設業界で豊富な実績を積み重ねてきました。倉庫の新築においては、企業様の生産性向上に直結する工事を、短工期・低コストで実現することを重視しています。

ラインの変更に伴う建築工事、工場機械の入替えに伴う基礎工事、組織改変に伴う間仕切り変更工事など、生産施設に関わる様々な改修・修繕工事の経験を活かし、企業様の具体的なニーズに応じた最適な倉庫建設をご提案いたします。

公共施設の建築で培った確かな施工技術と品質管理体制を基盤に、社会環境や自然環境の変化に伴う多様なニーズにも柔軟に対応。土地選定から法規制の確認、設計、施工まで、ワンストップでサポートさせていただきます。

まずはお気軽にご相談ください。企業様の視点に立って、最適な倉庫建設の実現に向けて、誠心誠意サポートさせていただきます。

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