OAフロアとは?施工のメリット・構造タイプ・使用素材について解説

「オフィスのケーブルが雑然としていて、見た目が悪く管理も大変」そんな悩みを解決するのがOAフロアです。床下に空間を設けることで、電源ケーブルやLANケーブルをすっきり収納し、安全性や利便性を大幅に向上させます。オフィスのレイアウト変更がしやすくなるだけでなく、転倒事故の防止や掃除のしやすさなど、働きやすい環境づくりにも貢献。この記事では、OAフロアのメリットや構造タイプ、使用される素材について詳しく解説します。

 

OAフロアとは?

OAフロアとは、床下に空間を設けてケーブルやコンセントなどを収納する二重構造の床のことです。「OA」は「Office Automation(オフィスオートメーション)」の略で、オフィス内の配線を効率的に管理するために設計されています。配線の断線や転倒事故を防ぎ、オフィスの美観や安全性を向上させる役割を果たします。

OAフロアは「フリーアクセスフロア」や「二重床」とも呼ばれ、オフィスだけでなく店舗や工場などでも使用されています。

 

OAフロアを施工するメリット

OAフロアを施工するメリット  

現代のオフィス環境において、OAフロア(オフィスオートメーションフロア)の導入は多くのメリットをもたらします。

 

配線の管理が容易

OAフロアは床下空間に配線を収容できるため、オフィス内の煩雑なケーブル類をすっきりと整理できます。電源ケーブルやLANケーブル、電話線などがすべて床下に配置されるため、デスク周りや通路にケーブルが露出することがありません。

また、新たな機器の導入時や配線の不具合が生じた際も、フロアパネルを簡単に取り外して作業できるため、メンテナンス性に優れています。IT環境の変化に応じた配線の増設や変更も、業務を大きく中断することなく実施可能です。

 

美観向上

床面にケーブルが露出しないため、オフィス空間全体の見た目が格段に向上します。床と壁の境目にコードがたまることもなく、デスク周りもすっきりとした印象になります。

来客対応エリアや会議室などの人目につきやすい場所でも、プロフェッショナルで洗練された空間を演出可能です。また、オフィスデザインの自由度も高まり、企業イメージに合わせた統一感のある内装を実現できます。

 

レイアウト変更の柔軟性

OAフロアの最大の特長は、オフィスレイアウトの変更が容易になることです。従来の固定配線方式では、デスクの配置変更時に配線工事が必要でしたが、OAフロアでは床下に配線があるため、デスクやパーティションの移動が自由に行えます。

部署の再編や組織変更、プロジェクトチームの編成などに伴う座席変更もスムーズに対応できるため、ビジネス環境の変化に俊敏に対応できるオフィス環境を構築できます。

 

安全性向上

床上に露出したケーブル類は、つまずきや転倒の原因となるだけでなく、踏みつけによる断線リスクもあります。OAフロアではこれらのリスクを大幅に低減し、従業員の安全を確保できます。

特に高齢者や障がいを持つ従業員にとっては、バリアフリー環境の実現にもつながります。また、床下配線によって、ケーブルの劣化や損傷も防ぎ、火災などの重大事故リスクも軽減することが可能です。

 

掃除がしやすい

OAフロアは床面が平坦で継ぎ目が少なく、凹凸がないため、日常的な清掃作業が格段に容易になります。従来のフロアでは配線カバーやモールなどの障害物があり、その周囲の掃除が困難でしたが、OAフロアではそうした問題がありません。

掃除機やモップでのクリーニングがスムーズに行え、床の隅々まで清潔に保つことができます。結果として、オフィス環境の衛生状態が向上し、従業員の健康維持や快適な職場環境の実現に貢献します。

 

OAフロアの構造タイプ

OAフロアは主に以下の2つの構造タイプに分類されます。

 

パネル構法

パネル構法は、支柱でパネルを支え、床下に空間を形成する構造です。床の高さ調整が可能であり、配線容量が大きく、変更や増設が容易に行えるという特徴があります。

この構造の最大のメリットは、高さ調整により様々な環境に対応した柔軟な施工が可能な点と、床下の配線スペースが広く取れるため配線の自由度が高い点です。一方で、歩行時に空洞音が発生する場合があることや、配線の固定やノイズ対策が別途必要になるというデメリットも存在します。

 

溝構法

溝構法は、パネルが高強度軽量コンクリートなどでできており、そのパネル内に溝を設けて配線を収納し、溝カバーで蓋をする構造です。溝に沿って配線を整理できるため、システム的な配線管理を実現できます。

この構法の優れた点は、歩行感が良好で空洞音やガタツキが少ないこと、配線変更が簡単でメンテナンス費用を抑えられること、さらに電磁波ノイズ対策に優れていることです。ただし、床高の調整ができないというデメリットがあるため、設計段階での計画が重要になります。

 

OAフロアの施工で使用される素材

OAフロアの施工で使用される素材  

OAフロアの施工で使用される素材には主に以下の種類があります。

 

スチール製

主に支柱タイプのOAフロアに使用されます。耐荷重性能が高く、リサイクル性に優れているため、官公庁や企業で広く採用されています。歩行感が良好ですが、空洞音が発生することがあります。

 

アルミ製

支柱タイプで使用される非磁性体の金属で、耐震性・耐久性・信頼性に優れています。サーバールームや実験室に適しており、長寿命ですが、資材費・施工費が高額になりやすい点がデメリットです。

 

樹脂製

置敷タイプのOAフロアに使用される軽量素材で、建物への負担が少なく短期間で施工可能です。価格が手頃で、小規模なオフィスや店舗に適していますが、耐荷重性能は他の素材より低めです。

 

コンクリート製

置敷タイプで使用される強度の高い素材で、歩行性に優れ、ノイズ障害を防ぐ効果があります。サーバールームなど特殊用途に適していますが、資材費・施工費が高く、処分時には産業廃棄物扱いとなります。

 

それぞれの素材は用途や設置場所によって選ばれます。例えば、スチールやアルミは耐荷重性能を重視する場合に選ばれ、一方で樹脂やコンクリートは軽量性やノイズ対策を考慮する際に適しています。

 

事務所のOAフロア化は山市成工にお任せください

山市成工は、1948年の創業以来70年以上にわたり、山梨県甲府市を拠点に建設業界で確かな実績を積み重ねてきました。オフィス環境の効率化・美観向上に直結するOAフロア工事を、企業様の業務を止めることなく短工期・低コストで実現します。

パネル構法や溝構法など、用途や環境に最適な工法を選定し、配線管理の容易さ、レイアウト変更の柔軟性、安全性向上といったOAフロアのメリットを最大限に引き出す施工をご提供。公共施設の建築で培った技術と品質管理を基盤に、工事完了後も細かい修繕や維持管理のご相談に対応いたします。

オフィス環境の改善をお考えの企業様は、ぜひ一度山市成工にご相談ください。

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